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5月24日のレッスン [ピアノのレッスン]

早いものでまたレッスンの日がやって来ました。
発表会はほんの10日前のことだったのに、ものすごく昔のことみたいに感じます。

今日持って行ったのはツェルニーの10番・11番、バッハ・インベンションの6番、ソナチネの2番、そして新しい曲がベートーヴェンの「月光ソナタ」です。
ソナチネの2番はクーラウのト長調の曲なんですが、強弱や雰囲気がクルクル変わる曲です。付いていくのが大変。感触は悪くないので、うまくいきそうな気がします。
ツェルニーは調子よく上がり、一番駄目なのは相変わらずバッハです。もう訳が分からなくなりかけ・・・。
いい加減パスしたいんですが、先生は「ここまでやったんだから諦めないで頑張りましょう」と言って諦めてくれません。

「月光」は特に弾けないと思うところはないのですが、右手がオクターブ押さえないといけないところが多いのがなかなかにキツイです。
私はあまり手が大きくないので、9度がせいぜい。10度は左手は届くのですが、右手はやっとです。
この曲は最高で9度の音程が1箇所だけ出てきます。ギリギリOKですね。
まあ、あまりパーンときれいに深い音が出せそうにはないだろうなと思いますけど、一度弾いてみたい曲だったので頑張ってみましょー。

「月光」の曲名は作曲家ではなく、楽譜を出版した人が付けたのでしたっけ?
でもこの曲名から曲想を掴むとしたら、遺跡の上にかかる月が思い浮かんでくるような気がします。

あの時代、多くの旅行家や探検家達がヨーロッパやアフリカの遺跡を訪れ、その印象を絵や文章でたくさん残していますよね。
ほっぽらかしだったので、フォロ・ロマーノやスフィンクスやピラミッドも砂や草木に埋もれかけ、朽ちかけていて、寂しいんですよね。
月夜に一晩遺跡のなかで過ごした話とか、月光を浴びて白く光る石壁の描写などは、寂しさと幻想的な感じがあいまってなんともいえずロマンチック~。


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東京みなと祭 [日常]

友人と一緒に晴海埠頭の東京みなと祭へ行きました。
お目当ては海王丸の船内見学だったのですが、なんとこの日は凄い迫力の催しがあったのでした。

消防船団の模範演技です。
いや、こんな硬い言葉は似合いません。華麗なショーと言った方がよいでしょう。
1隻の船を火災船に見立てて、消防船が消火したり落水者をヘリが救助する様子は、まるで「海猿」みたい。
その後はカラフルな水を噴き上げて噴水ショーをしたり、パレードしたり。
モーターボートが疾駆し、ヘリが超低空飛行で傍を飛び去っていったりと、驚きと歓声の大興奮のイベントでした。

海王丸の舳先の下から。皆かぶりつきで見入っています。

吹き上がる水煙!海の向こう岸はお台場です。

カラフルな水を噴き上げてパレード。
ヘリもきれいに隊列を組んで空の上で行進してました。

そして海王丸です。
一昨年の富山湾沖座礁事故の後、大規模改修を終えてより白い姿に生まれ変わり、本当に綺麗でした。
船内もどこもかしこもピッカピカ☆

帆を広げていないので巨大な電柱にしか見えないかもしれませんが、好きな者にはこのマストとヤードだけの姿もたまらないんですv(本物の陸上の変な電柱も入ってしまいました 汗)

友人と私は2人とも帆船が好きです。古い時代のものが好きなので。
ところが悲しいことに、友人は 「自称」 ひどい乗り物酔い体質。
今まではこういう船の中に入ったりするイベントは拒否していたのですが、今年はどういう風の吹き回しか「一緒に行こうよ」とあちらから誘ってきました。

東京駅からバスで30分もかけて港に行き、15分程船内一周をしたあとも、友人は元気でした。
・・・考えてみると、私と一緒の時にキミが何かに酔った様子をいまだ見たことがないのだが。
お酒以外ではね。


悲喜こもごも [ピアノのレッスン]

随分長い間ブログをお留守にしました。
保存してあったIDやパスワードも消えてしまっており、ブログから「あなたどなた?」と言われた気分です。
そういう訳ですので、発表会も実は終わってしまいました。一応、このブログのハイライト的なものになる目論見だったのに完全な計算違いです(汗)

そもそも計算違いの最初は仕事です。もともと今年は4月5月が割とヒマになる予定だったんですよね。だから発表会も出ることにしたんですけれど。ところが予想に反して超多忙な人間になってしまいました。
最初から「ワー。もう駄目だー」って感じだったら発表会も辞めたのですが、「ボレロ」みたいにちょーっとづつ盛り上がっていく内容だったもので・・。人間関係とか労務管理の問題もずっと尾を引いていて、精神的にもやはり楽ではなかったという。

本当に練習できなかったですねえ。時間はあっても気力と体力が残っていないので、弾いたって練習にちっともなっていないんですよね。うーん、辛かったし、せっかく発表会で好きな曲弾くのにと思うと情けなかったですね。
しまいには、「ノクターン」そのものもなんだか嫌いに思えてきてしまった程でした。

本気で練習して、練習になったといえるのは直前の3日間位でした。
奇跡かと思う位、ミス無しで通しで弾ける様になってビックリしました。前の週まで本当に駄目だったんですから。
(それはもう、左手の伴奏を弾く為に右手のメロディーが待ってあげているような弾き方だったんですよ。トホホ。)
練習している間に曲のイメージもガラっと変わってきて、森の木立のざわめきとか舞踏会の夜とか、若々しく躍動的なイメージで弾くようになりました。それまではシルフィードとかセレナードのような、ちょっと幻想的で内省的な感じが漂うように弾きたいと思っていたんですよ。どちらも、この曲の中にそのような印象が見えたからなんですけど、どうしてここまで違うものが見えたりするのか、それが面白かったですね。

練習ではしゃぎ過ぎてしまったのか、燃え尽きてしまったのか、は分かりません。
本番では、あんなに間違えたの生まれて初めてという位、鍵盤の場所は分からなくなっちゃうし、途中で止まって弾きなおさなければならない程、とんでもないミスタッチもしました。
昔、いつかついた先生は、
「レッスンの時や発表会の時は、途中で間違えても絶対止まってはいけません。止まったら死ぬと思いなさい」
なんておっしゃっていましたが。

まあ、一言で言えば、練習不足ですよね。リハーサルが無くて(!)本番で初めて触ったピアノだったとか、椅子の高さと鍵盤までの距離が上手く合わせられなくて高音部に手が届かなくなってしまったとか、そういう理由もあるにはあるのですが。人の注視の中で椅子を調節するのって、難しい・・・ですよね?(汗)

でも、先生にはせっかく教えて頂きながらこんなことで申し訳ないと思いながらも、総合的には良かったなという気持ちがありまして。
すごく短い期間でもすごく集中して練習して、確かに「弾けるようになった」という手ごたえが掴めた事とか、曲のイメージが全く変わるほど私なりに弾き込めたこととか。
「練習したい、ピアノが弾きたい」という気持ちが生まれたこととか。
自分自身だけにしか理解できないことかもしれませんけれども。結果はどうあれ、発表会に出るという目的は果たせましたしね(笑) もうちょっと、あと3日あれば本番でももう少しマシだったかもしれないという気はしますが。

それはまた次回のお楽しみにしたいと思います。


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5/6のLFJ [ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン]

風の強い1日でした。
今日でおしまいと思うとちょっと寂しい1日は、朝10時からのコンサートでスタートです。弾く方に聴く方にも厳しい時間です・・・。出演者の方は一体何時起きだったのでしょうか。

※※※

10:00~ 
ホールB5「ジュスマイヤー」

ピアノ 児玉桃、ヴァイオリン 堀米ゆず子
・ピアノ・ソナタ 第18番ニ長調
・ヴァイオリン・ソナタ 第25番ト長調
・ヴァイオリン・ソナタ 第41番変ホ長調

堀米ゆず子さんのヴァイオリンを昔聴いて、とても好きだと思ったのでこのコンサートを選びました。
このデュオは大変よく息が合っていて、気持ちの良い演奏でした。曲もすっかりものにしているという感じで、安心して聴けます。充実したコンサートでした。
ピアノソナタは弾いてみたいと思いました。

※※※

すぐ近くのホールで10:45~フルートのマスタークラスがあるので、時間的に間に合えばそちらも聴きたかったのですが、間に合いませんでした。そこで地下の展示場に行き、無料コンサートを聴くことに。この時は桐朋学園オーケストラが出演中で、ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調と交響曲「パリ」でした。
両方ともとても素晴らしい演奏でした。「パリ」って本当にタイトル通り華やぎのある曲ですねー。これまで交響曲は好きではなかったのですが、LFJに通っている間に良さが分かってきたように思います。
続いて昨日の決意通り、お隣のTOKIAビルに行って昼ごはんにしました。テーブルがあって座れるって素晴らしい。

※※※

15:15
ホールD7

ピアノ:ジャン・フレデリック・ヌーブルジェ
パリ・バスティーユ管楽アンサンブル
プソフォス弦楽四重奏団

ジュスマイヤー作曲 クラリネット、オーボエ、ホルン、弦楽四重奏のための楽章 ニ長調
モーツァルト作曲 幻想曲ニ短調
           ピアノと管楽器のための五重奏曲変ホ長調

このコンサートは楽しかったですね。色々な編成の演奏が聴けるのって好きです。
ヌーブルジェと管楽アンサンブルは別の日に1度づつ聴いているのですが、また印象が違いました。

ヌーブルジェは今回の方がずっと良かったです。音のひとつひとつが精彩に富み、活気がありました。昨夜は小さな会場だったせいで、もしかしたら緊張していたのかな?今回は一緒に演奏するアンサンブルがいてリラックスできたのかもしれません。観客の評価も高くて、ホールを出て行く時などにも褒め言葉がひっきりなしに聞こえました。
ただ、時に叙情的すぎるような気がしたのですが・・。私としてはこの人のショパンやシューベルトがぜひ聴いてみたいです。

あと、ニコラ・アンゲリッシュの演奏でも感じましたが、フランス人と日本人では、フェルマータや楽章間の切れ目の長さが違うのでしょうか。短すぎたり長すぎたりする気がして、聴いていてなんとなく調子が狂っちゃうところがあります。

管楽アンサンブルは2日目に聴いた時の方が断然良かったです。なんかバラバラでした。
プソフォス弦楽四重奏の方は、上手なのですがそれ程強い印象はありません。曲もちょっとそんな感じでしたが…。

※※※

19:15
ホールA

モーツァルト
証聖者の荘厳な晩歌(ヴェスペレ) ハ長調
聖母マリアのオッフェルトリウム ヘ長調「創り主の魂」
レジナ・チェリ ハ長調

指揮:ペーター・ノイマン
ヒョン・ミョンヒ(ソプラノ) アリソン・ブラウナー(メゾ・ソプラノ) ヴィンチェンツィオ・ディ・ドナート(テノール) ティロ・ダールマン(バス)
ケルン室内合唱団 コレギウム・カルトゥシアヌム

私のオオトリはこのコンサートです。
ここでも「合唱すごい」と思いました。それに尽きます。ここは初来日らしいようなことがプログラムに書いてありますが、本当なら幸運だったんですね。ローザンヌ声楽アンサンブルと演奏曲のタイプがかなり違いますから、比較するのは困難ですが、本当にどちらも素晴らしかったです。

こういう調性の曲で、降ってくるような明るい声を聴くと快感ですね。癒されるというよりも心地よい温度の強いシャワーを浴びるような感じ。リフレッシュ~♪
ソリストではソプラノのヒョン・ミョンヒが良かったです。とても良い声を持っています。ドレスがちょっとあれれ?でしたが・・。宗教曲でフーシャピンクの衣装っていうのはありなんでしょうか。うーん、でもマリア様への曲だから良いかな。

※※※

さて、これで終了です。
4日間、よく聴いたし見たし、並びました(笑)
名残惜しい気持ちを押さえて、まだ賑わいの残るうちにさっさと帰ることにしました。
来年は来られるかどうか分かりませんが、多分来られるでしょう。
その頃にはもっとピアノが上達していて、今回聴いて感動した曲を少しは弾けるようになっていればいいのですが。
声楽も再開できていればいいなあ~。


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エマニュエル・シュトロッセによるピアノマスタークラス [ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン]

5/6 17:45~18:30

ピアノマスタークラス
講師 エマニュエル・シュトロッセ(当初予定されていたアンヌ・ケフェレックから変更)
曲 モーツァルトのピアノソナタK.333

ピアノだったせいもあり、一番集中して聴いたマスタークラスでした。
いくつかのピアノコンサートを聴いた後だったので、色々なピアニストの演奏を思い出し比較しながら聴講出来たことが大変良かったですね。
ピアノに対してのモチベーションが限りなく低下していたのですけれど、これのおかげで盛り返してきたんです。聴講できたことは幸運でした。

シュトロッセ氏は気さくで明るく楽しい人柄を感じさせる方で、聴講者が楽しめるように色々面白い言い方で音楽の表現の仕方を説明して笑わせてくれたり、サービス精神も旺盛でした。この人のコンサートだったら1度行ってみたいなという気がします。
受講生の女性は音が大変美しく響きの粒も揃っていて、非常に上手に弾いていたと思います。聴きごたえのある気持ちの良い演奏でした。それにK.333はとても魅力的な曲ですね~。シュトロッセ氏も「まるでコンサートを聴いたみたいです」と褒めていらっしゃいました。

演奏についての助言は主に以下のような感じでした。
・曲の始まりは夢見るようにソフトに。健康的な印象にはしない。
 冒頭は何度も何度も繰り返し弾き直させて、デリケートで優しい音を要求していました。
・フレーズ間の間の取りかたに注意をはらうこと。
・曲が始まってしばらくして出てくる和音の重要性について。この曲で初めて登場する和音だから。

「奇跡が起こっているような感じ」「空に向けて何か細い糸をつなぐような感じで」「ここのタララン、は、ユーモラスな感じで、そう、『フィガロの結婚』の伯爵のようにね」などという風に、イメージしやすく説明してくれました。

さて、私も思ったのですが、この受講生はタッチが強めで音が少しはっきりし過ぎなところがありました。
今回の音楽祭で聴いた演奏会では、どのピアニストもモーツァルトを弾く時には引力に逆らうように、出来るだけ鍵盤を叩かないように非常な注意を払っているようでした。宙を滑らせるようだったり、腫れ物に触るような感じだったり。それに比べるとなんというか、思い切りの良い弾き方だったのです。

シュトロッセさんは、「もっと柔らかく」と繰り返しアドバイスしていました。ユーモアを交えながらでも、そこは粘り強かったです。受講生はますます綺麗な音を出してその指導に見事に応えていました。シュトロッセさん自身の音は、もちろん、うっとり雲の上をあるくような素敵な音でした。

このマスタークラスは通訳の方のレベルも高かった為、内容がよく理解できて良かったです。タイミングを外さず淀みなく訳してくれ、声の調子も講師に合わせているので言葉以上に伝わってくるものがあるのです。その為か客席の反応もとても良く、皆このマスタークラスを聴くことを楽しんでいる雰囲気でした。
シュトロッセ氏の方も、通訳が入り易いように話し方に気を付けているようでしたし、講師と通訳の呼吸が合っていて長年のコンビのようでした。
あとこの通訳の方、日本語がきれいで上品な点も高ポイントでした。


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5/5のLFJ [ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン]

この日は気温が上がり、とても暑い1日でした。それでも夜になると次第に肌寒くなり、持っていたジャケットを着ずにいられませんでした。

国際フォーラムの前に、丸ビルで開催中の<海老澤敏コレクション モーツァルト展>に行き、時間不足の為駆け足となりましたが、自筆譜や肖像画など貴重な物を見ることができました。海老澤さんもお見かけしました。いらしてたんですね。もしかしてこの後フォーラムにも行かれるのでしょうか・・?
会場の奥にはフォルテピアノが置かれ、ミニ・コンサートやレクチャーもあるとか。ウィーンまで行かずとも、こんなに豊富なモーツァルト関連の資料に触れられて、感激でした。

フォーラムに入った途端、夜の女王とモーツァルトさん達に遭遇しました。

女王様、背がお高い。
モーツァルトさん達は連日会場のあちこちに出没し、一緒の記念撮影にも気軽に応じてくれました。

この後はヴィオラ・ダ・ガンバのマスタークラスを聴講しました。1時間くらい前から並んでいたのですが、近くにリハーサルルームか楽屋があるようで、時折ソプラノの歌声が響いてきました。

※※※

クリスタル・レクチャー

18:00~
講師:ミッシェル・ドヌーブ

クリスタルというのは楽器の名前です。私も今回初めて知りましたが、50年ほど前に誕生した現代楽器なんだそうです。この楽器の第一人者であるミッシェル・ドヌーブ氏の実演とお話を交えて、クリスタルを紹介するというイベントを聴きました。

「50年というと新しいと思うかもしれませんが、今ある形のグランドピアノもたかだか100年ほどの歴史しかないのです。それがこれ程までに誰もが知っている楽器となったのは、ショパンやリストなどといった作曲家達が素晴らしい曲を書いて皆がそれを弾いたからです。ある楽器が世の中に広まるにはその楽器の為の曲が必要であり、大勢の前で演奏されなければなりません」

という訳で、ドヌーブ氏は世界中の色々な場所でこのようなレクチャーコンサートを行ったり、他楽器や他ジャンルとの共演も意欲的に展開していらっしゃるそうです。

見かけはマリンバやシロフォン、もしくはシンセサイザーのようです。しかし鍵盤はガラス棒で作られており、水で濡らした指で撫でて音を出します。グラスハーモニカの原理と同じです。
それ以外にも鍵盤がひとつひとつ金属のコイルに繋がっていて、スピーカーもあるし、ペダルもありまして、詳しい構造は忘れてしまいましたがピアノに似た電気楽器なんだそうです。

鍵盤はこんな感じです。ガラス棒は白と青の2色に塗り分けられていて、水平ではなく波のようなうねりを持たせて取り付けられています。
奥で金属のコイルと繋がっているのが分かるでしょうか?手前の四角い箱は水の入った容器。

木の葉のような形のスピーカーの素材は鉛だそうです。
大きいスピーカーの左斜め下の面に映るのが私です。初めましてv

モーツァルトの「グラスハーモニカの為のアダージョ」や、オリジナル曲など、数曲を演奏してくれました。
実に色々な音の表情を持っていることに驚かされました。モーツァルトの時には、ああ、グラスハーモニカとそっくりだわと思ったのですが、オリジナル曲になると、尺八風の響きあり、鐘のような響きあり、その表現力の多彩なこと。
クリスタルは鍵盤型ですから、ピアノと同様の演奏が可能なのだそうです。
グラスハーモニカの場合、それなりの直径のグラスの縁をなぞるのですから、和音とか、早いパッセージとかは難しそうですよね。(その後モーツァルト時代のグラスハーモニカの実物を見たら、ガラスのお椀を横に重ねて並べたコイル状の形状をしていました。従って、この記述が間違いだったことに気付きました)

私は高校生の頃グラスハーモニカの音色に惹かれて、CDを買ったことがあります。それがモーツァルトの曲でした。
演奏とは間違っても言えませんが、自分でもワイングラスに適当に水を入れて鳴らしたこともあり、ちょっとした感覚を掴めれば澄んだ音色が出て、楽しいんですよね。非常に周波数が高いので、当時いた猫は嫌いみたいでしたが。

質問の時間もありました。
私が面白いと思った質問。メモが無いのでうろ覚えです。
Q「モーツァルトの頃、グラスハーモニカはあまりにも高音なせいで、神経を刺激して脳に悪影響があるという理由から禁止されたことがあると聴きました。クリスタルにはその心配はないのですか?」

A「(その話は知らなかったみたい?で)
それは恐らくモーツァルトよりも前の時代のグラスハーモニカのことではないでしょうか。モーツァルトの時にはそういうことはありませんでした。ただ、これは実話かどうか不明ですが、ある音楽会でグラスハーモニカを聴いたご婦人が、ドレスを脱ぎ出してしまったことがあるそうです。自分を人魚だと思いこんで。でも、クリスタルにはそういう心配はないですよ」

人魚だと思いこんでしまうのって、分かるなあ。夢の世界のような音色ですものね。実際にあったことのような気がします。
レクチャーが終わると、クリスタルの傍まで近寄って写真を撮らせてくれました。上に載せたのがその時撮った写真です。
この先クリスタルがどれだけ人々に愛される楽器になるか分かりませんが、私はとても気に入りました。一度弾いてみたいですねー。


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5/5のLFJ その2 [ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン]

20:30~ 
相田みつを美術館「カンナビヒ」

ジャン・フレデリック・ヌーブルジェ ピアノコンサート
・ハイドン ピアノソナタ第32番ロ短調
・モーツァルト ロンド ニ長調
         アダージョ ロ短調
         ピアノソナタ第11番 イ長調「トルコ行進曲付き」

この会場は定員100名ほどと、とてもこじんまりした空間です。壁には相田みつをの額が一面にかかり、でも美術館というよりはプチホテルのロビーみたいな雰囲気。ピアノもブラウンカラーのスタインウェイで、これがサロンコンサートの感じを醸し出すのに一役買っていました。

ヌーブルジェは弱冠20歳。プロフィールには「パリ国立高等音楽院の各科で最高位を獲得」とあります。若いけどすごいんですね。淡色の髪の持ち主で眼鏡をかけていて、繊細で真面目そうな見掛け。どこかシューベルトの肖像を彷彿させます。タッチが優しく、とても端正な演奏でした。
でもなんとなく「違うなー」と感じてしまいました。ロンドニ長調は、4月に聴いた野平さんの演奏の方が私の好みだったなと思います。好みでしか感想を書けなくてお恥ずかしい。
アンコールを2曲も弾いてくれたのですが、それはショパンっぽい曲で、私はどちらかというそれの方が彼には合っていると思いました。本当に綺麗な音で、まるで清流の流れのようにメロディが流れていくんです。うっとりしました。

※※※

夕ご飯も屋台村。さすがに飽きてきました。中庭のテーブルはいつも混雑していてなかなか座れないし。
明日は別の場所で食べるぞと密かな決意を固める私でした。

フォーラム内のレストランが出している屋台に、サングリアで作ったグラニタがあったのでそれを食べてみました。
カキ氷にサングリアをかけ、フルーツのコンポートを盛って練乳をかけたもので、ボリュームがあって安くて、しかもめちゃめちゃ美味しかった。暑さと興奮でほてった心身に気持ち良かったです。
グラニタを口に運びながら放心していると、同じテーブルのご夫婦に「美味しそうですね」と声をかけられました。
そこからちょっとした会話が始まりました。
この方達も、次に私が聴くコンサートに行かれるのだそうです。
「夜遅いときついですよね」「こんなに夜遅く始まるコンサートは生まれて初めてよ」「でもこれ位しかチケット取れなかったんだよなあ」
ほんと、チケット取りは大変でした。あっという間に売り切れで・・・。

4日間で他の来場者の方と会話らしい会話をしたのはこの時が初めてで、なんだか嬉しい気分。家族連れとか友達連れとかの人が多いんですよねー。私も誰かと一緒に来たかったな。

※※※

22:15
ホールB7「ダ・ポンテ」

ニコラ・アンゲリッシュ ピアノコンサート
・幻想曲ハ短調 k.475
・ピアノソナタ第10番 k.330

ピアノの名手、という印象でした。ヌーブルジェよりも力強さがあり、人の心に届く音という点でも上かと思いました。アンコールはこの人も2曲。リストっぽい曲とバッハっぽい曲。バッハっぽい方は素敵な曲で、曲名が分からないのが残念。
やはりこの人もアンコール曲の方が良かったと感じました。拍手がなかなか鳴りやみませんでした。

段々、モーツァルトのピアノ曲が難しいというのはどうも本当かもしれないと思ってきました。LFJの中で「うわー、なんて素敵」と思ったことがないです。理由はよく分からないけど・・・。
モーツァルト以外だと、「いい曲だなあ、素晴らしい音色だなあ」と感動することが多いのに。

次の日は朝9時位にフォーラムに来なければいけないので、最後のカーテンコールの前に会場を出ました。


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フィリップ・ピエルロ ヴィオラ・ダ・ガンバマスタークラス [ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン]

5/5 16:15~15:15
講師 フィリップ・ピエルロ(リチェルカール・コンソート音楽監督、トロットシンゲン音楽大学教授)
曲 マラン・マレ

昨日ですっかり味をしめてしまった私は、今日はヴィオラ・ダ・ガンバのマスタークラスを聴講することにしました。
古楽が好きで、ヴィオラ・ダ・ガンバの心落着く優しい音色も大好きなのですが、コンサートとはまた違った形でこの楽器を知る機会を得られて嬉しかったです。
この時間帯のほかのコンサートのチケットを持っていなくて本当に良かったー♪
意気込みがありすぎて、1時間半も前に早く会場に来てしまいました。だって絶対に聞き逃したくなかったんです。

開場すると、ステージの上には既にヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロが。とても綺麗な装飾のヴィオラ・ダ・ガンバで、観客達の目を釘付けでした。これは受講生の方の楽器で、講師の方は自分の楽器を手に登場されました。

印象は、まず第一に、ヴィオラ・ダ・ガンバは奏でるのがとても難しそうだということ。古楽器はみなそうなのかもしれませんが、ヴィオラ・ダ・ガンバも音が繊細で小さく、しかも不安定です。弓を当てる位置のほんな僅かな違いで、かすれるか、生き生きとした音色になるかの差が生まれるのです。
指導を受けて、受講生の音が目を瞠るほど張りのあるものに変わるのが驚異的でした。でもそれは一瞬なんです。次にもう1回弾くと、さっき出せた豊かな響きが出ない。本当に微妙な位置なんだと思います。

私は思わず「あれ、そこだったっけ?ちょっと貸してみて」と隣から手を出したくなるような気持ちになってしまいました。へんな意味ではなく、不思議で不思議で。
聴いていると、「音を紡ぎ出す」という言葉がピッタリの作業です。簡単に出るものじゃないから、一生懸命細い糸口を探し出して太く丈夫に縒り合わせていかないといけない。

ピエルロさんは、自分の楽器の一番響きの良いところを常に探しなさい、というアドヴァイスをしていました。
この方が弾くと、たったの1音2音であっても鳴らした瞬間からそれは「音楽」で、心に染みこんできました。素直にすごいなあと思います。

作曲家については、マレは彼の時代には珍しく、細かく楽譜に奏法についての指示を書いているそうです。へえ~。だからその指示に従って弾きましょうとの指示。

それから、弾き始めに大きく息を吸うのが印象的でした。デュエットや室内楽でも、よく息を吸う音が聞こえますけど、あれは出だしのタイミングを合わせる為だと思っていました。でも1人で弾く時でも、拍子の取り方やフレーズの歌い方において、呼吸は重要なんですね。そして、ブレスを正しく入れること、姿勢の保ち方なども全部繋がっているんですね、きっと。

ヴィオラ・ダ・ガンバの音に間近で接することが出来て嬉しかったですが、それ以上に音作りで苦労する受講生の姿を見られて良かったです。
ピアノの音もきれいな音が簡単に出るわけじゃないけど、とりあえず大きな安定した音なので、そういうものだと思い込んでしまっている時があるんです。思う響きが出ないと、100%自分が下手なせいだと思って悔しいし悩むし。でも、楽器というのは全部、そうやって苦労して音を探していくものだし、音楽っていうのは楽器と一緒に歌うものなんですねぇ。


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