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エマニュエル・シュトロッセによるピアノマスタークラス [ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン]

5/6 17:45~18:30

ピアノマスタークラス
講師 エマニュエル・シュトロッセ(当初予定されていたアンヌ・ケフェレックから変更)
曲 モーツァルトのピアノソナタK.333

ピアノだったせいもあり、一番集中して聴いたマスタークラスでした。
いくつかのピアノコンサートを聴いた後だったので、色々なピアニストの演奏を思い出し比較しながら聴講出来たことが大変良かったですね。
ピアノに対してのモチベーションが限りなく低下していたのですけれど、これのおかげで盛り返してきたんです。聴講できたことは幸運でした。

シュトロッセ氏は気さくで明るく楽しい人柄を感じさせる方で、聴講者が楽しめるように色々面白い言い方で音楽の表現の仕方を説明して笑わせてくれたり、サービス精神も旺盛でした。この人のコンサートだったら1度行ってみたいなという気がします。
受講生の女性は音が大変美しく響きの粒も揃っていて、非常に上手に弾いていたと思います。聴きごたえのある気持ちの良い演奏でした。それにK.333はとても魅力的な曲ですね~。シュトロッセ氏も「まるでコンサートを聴いたみたいです」と褒めていらっしゃいました。

演奏についての助言は主に以下のような感じでした。
・曲の始まりは夢見るようにソフトに。健康的な印象にはしない。
 冒頭は何度も何度も繰り返し弾き直させて、デリケートで優しい音を要求していました。
・フレーズ間の間の取りかたに注意をはらうこと。
・曲が始まってしばらくして出てくる和音の重要性について。この曲で初めて登場する和音だから。

「奇跡が起こっているような感じ」「空に向けて何か細い糸をつなぐような感じで」「ここのタララン、は、ユーモラスな感じで、そう、『フィガロの結婚』の伯爵のようにね」などという風に、イメージしやすく説明してくれました。

さて、私も思ったのですが、この受講生はタッチが強めで音が少しはっきりし過ぎなところがありました。
今回の音楽祭で聴いた演奏会では、どのピアニストもモーツァルトを弾く時には引力に逆らうように、出来るだけ鍵盤を叩かないように非常な注意を払っているようでした。宙を滑らせるようだったり、腫れ物に触るような感じだったり。それに比べるとなんというか、思い切りの良い弾き方だったのです。

シュトロッセさんは、「もっと柔らかく」と繰り返しアドバイスしていました。ユーモアを交えながらでも、そこは粘り強かったです。受講生はますます綺麗な音を出してその指導に見事に応えていました。シュトロッセさん自身の音は、もちろん、うっとり雲の上をあるくような素敵な音でした。

このマスタークラスは通訳の方のレベルも高かった為、内容がよく理解できて良かったです。タイミングを外さず淀みなく訳してくれ、声の調子も講師に合わせているので言葉以上に伝わってくるものがあるのです。その為か客席の反応もとても良く、皆このマスタークラスを聴くことを楽しんでいる雰囲気でした。
シュトロッセ氏の方も、通訳が入り易いように話し方に気を付けているようでしたし、講師と通訳の呼吸が合っていて長年のコンビのようでした。
あとこの通訳の方、日本語がきれいで上品な点も高ポイントでした。


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