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LFJ2007 5月6日のコンサートと無料イベント [ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン]

最終日の6日は、なんと雨。それも本降り。
お昼前に国際フォーラムに入ったのですが、広場のテーブルが屋根のある方にぐっと寄せられていて、閑散とした感じは否めません。屋台村も早々と店じまいするところもあり、せっかくの最終日というのに盛り上がりに欠けてしまって残念でしたね~。でも空いてる時こそ屋台村でご飯。ロコモコ丼を買って食べました。ハンバーグが焼き立てでホカホカしていて美味しかったです。(いつも写真を撮り忘れるんだな・・)

しかし、一歩屋内に入るとこの人の海です。

更に展示ホールに行くと、無料コンサートの時間など立錐の余地も無いほどの大盛況。雨を避けてみんなここに集合していたのか~。丸の内オーケストラによるアップテンポでキラキラしたチャイコフスキーバレエ曲や、企業ブースのミニステージから朗々と響いてくるエキゾチックな歌声に盛んに拍手が起こっていました。

*講演「国民楽派の音楽 フランス編」

またもや青島さんの講演です。
ラモーからメシアンまでをざっと辿った、フランスの音楽史を軽く俯瞰するような内容でした。また、古典派やイタリアその他の国の音楽と比較した説明もあったので数多くの作曲家の名前・曲が登場し、前回聞いたロシア5人組編と比べて発展性のある内容というか、”音楽史入門の入門 ちょっと横道編”的にも聴ける印象がしました。

前にテレビで見たベルリオーズの交響詩の話も生で聴くことが出来ましたv 演奏無しのアッサリバージョンでしたけど、きっと青島さんお得意かつお気に入りのネタなんだろうなと思いました(笑) それからビゼーとその奥さんのエピソードも会場の同情を誘っていました(ように見受けられました)。「カルメン」のあらすじは主要3人しか出てこなかったけど分かりやすくて良かったですよ。
サティのヘンなタイトルの曲、そう、「干からびたナマコの胎児」を朗読付きで演奏して下さったんです。それと、誰かの”エジプトのヒエログリフの碑文”をイメージした曲も。どちらも楽譜を見たことはあるのですが弾きたいという気持ちになったことはなく、この日聴いてみてやっぱり弾かなくてもいいと思いました。

私が青島さんのお話が好きなのは、なんというかとても真似たい・学び取りたい部分があるからなんですね。最重要点に絞り込んで、笑わせて・興味を持たせて・記憶に残る話術(さりげなく自己アピールと業界宣伝も織り込んで)を身に付けたいと願う今日この頃です。

 

*ヴァイオリンとピアノ デュオコンサート
マルティヌー「ヴァイオリンソナタ 第3番 H.303」
シベリウス「5つの小品 作品81」

ヴァイオリン:ラファエル・オレグ、ピアノ:エマニュエル・シュトロッセ

どちらも初めて聴く曲でした。シベリウスはともかく、マルティヌーは名前を聞いたことがあるだけ。どんなタイプの曲なのか、ドキドキ(予習さぼりました)。曲目解説には「ニューヨークで書いた傑作。特に第2楽章は夢見るような美しい世界が展開する(抜粋)」とありました。ああ、でも、良く分からなかったわ~。やっぱり普段聴かない傾向の曲は予習していかないと勿体無いですね。
シベリウスは演奏前にオレグさんから、5曲それぞれのリズムについてワルツ、マズルカ・・・など、日本語まじりで解説がありました。おしゃれで少しサロン風の雰囲気も漂わせた曲で、これはシンプルに楽しめました。
ただ、オレグさんは少しお疲れ気味のように見え、演奏が冴えなかったような気がしました。昨日のマスタークラスの時と音の輝きがまるで違うんですもの・・・。
でも最終日の最後の公演ですからねー。このお祭り、短期間でいくつものコンサートに出演するアーティストもいますので、ほんとにハードだと思います。

オレグさんもシュトロッセさんも、実は昨年のLFJマスタークラスで見初めた(と言ってはおかしいですが)方々でした。演奏はいうまでもなく音楽を語る語彙がとても豊かで含蓄に富んでいて、教え方が柔らかく人柄に奥ゆかしさを感じ、とても印象に残っていました。それで今年、お二人一緒の演奏会を見つけたので大喜びでチケットを取ったという訳なんですが、こういう成り行きから好きな演奏家を見付けるなんてこと、一般人にはなかなかない機会ですよね♪!

さて、上記公演がラストでした。雨降りの侘しさも手伝って、昨年以上に立ち去りがたい気持ちを抑えて家路に向かいました。来年のテーマはシューベルトだそうです。シューベルトといえば歌曲王。歌曲のコンサートがぐんと増えるのでしょうか。非常に楽しみです!

 

*小曽根さん

いつ撮ったのか忘れてしまいましたが(5日夜だったような気がします)、ピアニストの小曽根真さん。メディアのインタビューを受けていらっしゃるところを横から撮らせて頂いてしまいました。まだ生演奏をお聴きしたことはないのですが。インタビューに答えてお話しされている様子は、凛としてカッコよかったのです。
幸運な人は何人ものアーティストとすれ違ったり拍手やサイン、記念撮影に応じて頂いたりしているみたいですね。私はおマヌケなので、こういう分かりやすいシチュエーションに出会わないと全然気付きません(汗) 


 


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LFJ2007 楽器店による実演・体験イベント [ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン]

展示ホールでは企業のブースが色々なイベントを行っていて、島村楽器のが良かったです。ミニコンサートや楽器のリペア実演&体験などがあって、短時間ですが面白く見られました。

*ピアノ調律体験

まず調律師さんによるピアノの構造や調律についてのお話があり、そのあとほんのちょ~っとだけ調律の真似事をさせてもらえました。
わざと少し狂わせてぼやけた音色にした鍵盤を正しい音に調整するという作業で、方法は鍵盤の弦を張ったネジに金具をあてて直すのですが、これが思いの外固くて力が要りました。家具の組み立ては割と得意なんですけど、微妙な角度が難しくて苦戦しました。
頑張ってみたけど完全に元の音には戻せませんでした。メーカーの方が言うことには「これ以上はプロでないと無理ですよ~(笑)」と慰められましたけど。でもあの~、私の前にやった小さな子が一発で戻してたんですよね。これはやはり適性に乏しいってこと?(汗)

ピアノはザウターというメーカーのものでした。こういう色のピアノって憧れです。

*音楽教室講師によるギター演奏

曲目は「なめし皮のタンゴ」「グラナダ」とあともう1曲。とても素敵な演奏でした。時折ギターの胴を「カッ」と弾くのもその音の良いこと。かっこいい~♪かなり超絶技巧っぽいこともやっていたような気がします。

*ヴァイオリンの弓の張替え実演

何でも今、密かにヴァイオリン製作・修復教室が人気を集めているのだそうです。へぇー何だか凄いですね。

実演は職人兼講師の先生。テーブルの上で目立つ白い毛束は、白馬の尻尾。ヴァイオリンには細くて柔らかい、白い毛並みの馬の尻尾を使うそうです。馬の毛は色が濃い程太くて固いくなるのだそうです。知らなかった。昔乗馬をやっていた為色々な馬の手入れもしたのですが、ちっとも気付いていませんでしたわ。でも確かに、黒っぽい馬の方が手触りが固かったような記憶もします。

他に、毛を結わえる麻糸やアルコールランプ、はさみや工具類が並んでいます。割と普通の道具ばかりという印象。あと勿論、弓ですね。

作業工程は簡単に書きますと、
1.古い弦を弓から外す
2.使う量の毛をゲージで量って取る
 約130本位になるそうです。毛の中にはウェーブヘアや短いもの、枝毛などもあって、それらは途中で除かなければいけないので1割程度多めにとるそうです。弓にはキューティクルのあるストレートヘアが望ましいのですね。
3.毛束の端を縛って弓の両端に取り付ける
4.毛のたるみを無くしテンションを均一にするため、全体を火であぶって調整
完成、といった感じでした。

以下、途中から思い出したように写した写真。順不同です。

麻糸で縛った毛束の先をアルコールランプの火であぶっているところ。こうして先っぽをぼさぼさにすることで糸が抜けにくくするそうです。さらに松脂をつけてまたあぶって毛束が密着させてました。

毛束の幅や量を均等にする為に、櫛に水をつけて梳かし綺麗にそろえているところ。こうして平たいリボン上に整えます。重要な工程だそうで、かなり入念に十数回も繰り返していました。

 

箱型の小さな部品に毛束を収めているところ。取れてこないように”くさび”というちい~さな部品(数ミリ角の薄い木片としか見えません)を打ち込んで固定しますが、このくさびも1度の張替えごとに新しく手作りするそうです。本日は時間がないので古いのをリユースだそうです。

作業工程は、とにかく1にも2にも毛質を均等に揃え、均等に配置し、均等なテンションで張る、と「均等」に尽きるようです。この方は今までに1000本以上の弓を替えた経験があるそうですが、「今のはよく出来た」と満足できるのは滅多に無いとか。難しい仕事なんですねー。

最後に、「バロック・ヴァイオリン製作教室」で教えるロシアから来日した先生の御紹介。普通のヴァイオリンばかりかバロック・ヴァイオリンまでですか・・・。島村楽器の教室って凄いですね。

見逃した人も多いと思いますので、出来たら来年も同じ様なことをやってくれたらいいですね。

因みに隣の部屋ではYAMAHAがサイレント楽器の試奏コーナーを設けていました。私はヴァイオリンを体験させてもらったのですが、顔に「あーあ、めんどくさい」と書いてある担当者に当たり、あまり親切にしてもらえなかったです。あとで耳に挟んだら体験時間は一応1人10分ということだったらしいですが、1分程で終わっちゃいました。商売っ気がないというかなんというか・・・ 。


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LFJ2007 5月5日の続き [ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン]

5日に聴いたほかのプログラム・・・

*マスタークラス(ヴァイオリン) 講師 ラファエル・オレグ
曲:フランク「ヴァイオリン・ソナタ」(何番かは不明)
受講生:芸大3年生の女性  ピアニスト:受講生の姉妹

昨年に引き続いてラファエル・オレグさんのマスター・クラスを聴講。
ヴァイオリンのみならずピアノ伴奏にまで細かな指導が及ぶ熱心さの為に、時間をオーバーしてしまってました(でもこの直前のフランク・ブラレイさんは怒涛の15分オーバー。今年は熱血系が集まったのか?)
フランクの曲は繊細な柔らかさと張り詰めたものを併せ持つ綺麗な曲でしたが、難しそうな曲でした。

 

*桐朋学園オーケストラ ストラヴィンスキー「春の祭典」

展示ホールの壇上が一杯一杯になった108人のオケメンバーによる「春の祭典」。右斜め後ろのあたりから聴いたので、打楽器の迫力を堪能できました。
もっと爆発的なものがあればなお嬉しかったのですが、良い演奏だったと思います。

↓終演後、出演者がほとんどはけた後に。ティンパニやドラムやドラがずらっと。

*ミュージック・キオスク公演  トリオ・ヴァンダラー

広場にミュージック・キオスクという小さな東屋が建てられて、そこでもコンサートがありました。写真は演奏直前の準備中の様子。
ピアノはチェンバロタイプのデザインの電子ピアノで、そこらへんピアニストの方的にはどうだったんでしょう?


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LFJ2007 5月5日のコンサート  フォーレのレクイエム名演 [ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン]

この日は午前・午後・夜とひとつづつの公演。とてもホットな一日でした。気温も。

*リムスキー=コルサコフ「ピアノと管楽器の為の五重奏曲」

フルート:工藤重典  クラリネット:二コラ・バルデル  ホルン:岸上穣
ファゴット:河村幹子  ピアノ:クレール・デゼール

編成的に好きな曲だったので聴きに行ったのですが・・・・何度か聴いたら曲も好きになれるかもしれないなあ、と思いました。あまり馴染みのない曲や作曲家の場合起こりがちなんですけど。
他に、クレール・デゼールの独奏でスクリャービンの練習曲が2曲。作品42の第5番嬰ハ短調と作品8の第12番嬰ニ短調「悲愴」です。これも上とほぼ同じ感想なのですが。
ピアニストのことで言うと、3日にラヴェルを聴いたアンヌ・ケフェレックよりもこの人の方が好きかもしれません。作曲家が違うので言い切れませんが、音がとても綺麗で好きです。

*ドヴォルザークとヤナーチェクの合唱曲

ドヴォルザーク「モラヴィアの歌より(抜粋)」、「聖書の歌 作品99より」(バリトン独唱)

ヤナーチェク「野鴨」、「天にいますわれらの父よ」

指揮 ダニエル・ロイス
テノール:フセヴォロド・グリブノフ  バス:デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン

合唱:カペラ・アムステルダム ピアノ:マルクス・ベルハイム

チェコ語の不思議な響きと、どこか懐かしい鄙びたメロディー、明るい歌声がとても印象的でした。東欧の歌というと、ついチャルダーシュやジプシー音楽のような短調で変わった拍子のものを思い浮かべてしまうのですが、日本の童謡にも似た優しい調べの曲もあるんですね。

ところでこの公演は、一味違いました。なんと合唱団の荷物が航空会社の手違いで届かなかったそうで、舞台衣装はLFJのロゴが入ったオフィシャルデザインTシャツにジーンズ!指揮者もピアニストもカジュアルな服装。ソリスト達だけは普通どおりフォーマルでしたが。
開演前に「軽装で歌うことをお詫び致します。なお、ただ今荷物はロンドンの空港にあるということです」とアナウンスが流れると、客席に驚きの笑い声と励ますような拍手が起こりました。

そして半ばで登場した英国人のおじさまバス歌手が、出てくるやいなや「アイハヴアニュース!」
「荷物が空港(多分日本の)に到着しました」の言葉に出演者も観客も「やったー、良かったね!」拍手拍手の祝福ムード。そこでまたバス歌手がおもむろに「1個を除いてですが」で、一気に「ガクっ」。失笑が漏れたものの、再び拍手。この間少しですが会場に連帯感めいたものが生まれて、心が温かくなる一幕でした。
にしても、あの軽く冗談めかした間の取り方の上手さは、イギリスの舞台人だなあと妙に感心してしまいました。

彼らはとんだトラブルにも関わらず、どの公演でもパワフルで明るい歌声でコンサートを大いに盛り上げたそうです。私もこの日のコンサート、とても楽しめました♪

*ミシェル・コルボ指揮 フォーレ「レクイエム」

合唱:ローザンヌ声楽アンサンブル  オーケストラ:シンフォニア・ヴァルソヴィア

ソプラノ:アナ・キンタンシュ  バリトン:ピーター・ハーヴィー

LFJ2007の個人的大本命公演! この指揮・合唱・オケによる演奏には昨年のモーツァルトで脱帽しまして、それで今年はフォーレだなんて、この流れは私の為にあるとしか思えません(笑)
同プログラムが期間中全5回行われたのですが、ホールA(定員5000)が4回でホールC(定員1500)がたった1回。そりゃもちろんホールCで聴くでしょ!!
はたして、夜10時15分というへヴィな開演時刻にも関わらずほぼ満席状態でした。

期待に違わず。その演奏は、言葉に出来ない位素晴らしかったです。世界最高といって差し支えないのではないでしょうか。
Offertoim の”O Domine Jesu Christe・・・”とSanctusの”Hosanna in Excersis”のところで涙がこぼれそうになりました。心が震えた瞬間は数知れず。こんな音楽を聴けたことに感謝です。
昨年も感嘆したベルベットのようなピアニシモ~クレシェンドは健在で、モーツァルトのそれよりもこの神話のようなフォーレのレクイエムの方が彼らの個性にはより合っているように感じられました。
合唱があまりにも良いので、ソリストも素晴らしいのですけどついつい合唱の方ばかり印象に残ってしまうんですよね(汗) オケは非常に小編成でしたが濃密かつデリケートな音作りでした。

終曲のIn Paradisumはただその中に身を委ねていました。
最後の音が吸い込まれていった後の静寂は、長かったです。このまま余韻に浸り続けたいという聴衆の強い願い、100分の1秒さえ惜しむような。
最初の拍手音は黙殺にあったような・・・すぐさま消えてしまいましたね。
その少し後パラパラと沸き起こった音も退けつつ・・・。ようやく「そうだ、お礼の拍手しなくちゃ」と思い出したように揃い始めました(真冬にお布団から出るときのよう)。 すると後はまさしく割れんばかり。レクイエムにブラヴォーはありかなしかなんて議論、あれは落ち着いている時に考える事ですよ!
コルボさんと合唱団への拍手が最も大きかったと思います。全員はけた後も、コルボさんは2回ステージに出てきて手を振ってくれました。

聞くところによると、ホールAでの上演も毎日凄く良かったみたいです。なんてクオリティでしょう。
来年のLFJテーマはシューベルトとその関連ある音楽家達なのですが、一体今度は何を歌ってくれるのか、楽しみで待ち遠しくてたまりません。

 

自分用メモ:ホールCは3階席でもステージがそれ程遠く感じず、音響もそこそこで良かったです。オーチャードや東京芸術劇場より良いと思います。


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LFJ2007 1日目 [ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン]

今年も「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」の季節がやって来ました。テーマは「民族のハーモニー」で、誰か一人の作曲家をクローズアップするのではなくヨーロッパ各国の国民楽派などの音楽を取り上げるということです。
私は今年も全部で3日間聴きに行く予定ですが、早速3日のマイ初日の様子を書きます。
といっても、この日はコンサートは1つだけで、無料のイベントを中心に聴いて回ってました。昨年もそう思ったんですけど、お祭りなのでいるだけでも気分が華やいでなんともいえず楽しいんですよね。

*アンヌ・ケフェレックのピアノコンサート
プログラムは全てラヴェルで、「ハイドンの名によるメヌエット」「古風なメヌエット」「亡き王女ためのパヴァーヌ」「鏡」。
「鏡」が一番聴きたかったのですが、絵画を見ているような色彩感溢れる音色と、それを紡ぎだすケフェレックさんの気魄の手触りのようなものが感じられて、ピアノコンサートに来たんじゃないような気がしてしまいました。

*チェロのマスタークラス
昨年すっかりマスタークラスの面白さにはまってしまって、今年も聴きに行きました。
講師はアンリ・ドマルケットさんというフランスのチェロ奏者で、生徒は芸大の学生さん、曲はコダーイの無伴奏チェロソナタでした。
私はロマン派以降の曲(オペラや歌曲以外)はあまり知らない上、特に東欧などの国の作曲家や民族風の曲についてはほとんど何も知らないので、何でもいいので何か得るところがあればと気軽に聴きにいったのですが、とても興味を刺激されました。
講師の方は民族風を強調したジプシーの歌のような演奏で、生徒の方は「でも、あくまでもクラシックの曲」という対照的な演奏であった為、異なるスタイルでの演奏を一度に聴けたのも面白かったですし。曲って本当にさじ加減ひとつで印象がガラッと変わるな、と改めて実感しました。
それに、普段ピアノの先生から言われる「もっと色々出して」という言葉が、”何が”というのかがちょっと分かった気がしました。書きにくいのでここには書けないんですけど(汗)

あと、今年から講師と生徒の氏名や指導曲の一覧表を作って配布してくれるようになり、これは良いサービスだと思います。

*講演会:青島広志「国民楽派の音楽家たち~ムソルグスキーと5人組」

テレビでも人気の青島広志さんが期間中連日講演をなさっていると知り、以前「誰でもピカソ」に出演された時「舞踏への勧誘」の華麗なレクチャーに大爆笑して以来ファンになった私はいそいそと聴きに行きました。


「おこめギャラリー」という場所で行われた1時間のレクチャーだったのですが、「ロシア5人組」に関しての笑えて為になるお話しで、私は恥ずかしながら知らないことばかりだったのでとても興味深かったです。おかげで私は生まれて初めてロシア5人組の名前を全員覚えました!
5人それぞれの代表作を電子ピアノで弾きながら(時々歌いながら)紹介して下さって、その中で最も活躍しなかったキュイという人の曲は知られていなさ過ぎて譜面が見付からず、ようやく探し出したのだそうです。
5人組の似顔絵をホワイトボードにお描きになったのですが、ムソルグスキーの顔がすごくて客席大爆笑。

この会場ではカメラはダメだったので、上の写真は別の時間に行われたオープンな展示室での同様の講演の模様です。「テレビとおんなじ人だー」と感動してました。

レクチャー後、おこめギャラリーのショップを覗いているとお仕事を終えられた青島さんもお買い物中でした。何か買われていたみたいです。本当に楽しい方でした♪

*マングース

思わず「むきゃ♪」と吹き出しを書き入れたくなってしまいます。
地下の展示室にマングース(というかのだめ?)がいて、時々記念撮影の列も出来ていましたよ~。
本物を見たのは初めてですが、漫画で見たのとおんなじ雰囲気で、凄いなーと感心。
それにしても・・・ディズニーランドにミッキーがいるのは当たり前、というのと同等のレベルでフォーラムに溶け込んでいたような気がしました。

*丸の内界隈

国際フォーラムの面する丸の内仲通りがフラワーアレンジメントのギャラリーになっており、色鮮やかな花々が目を楽しませてくれます。視線の上にも下にも、たくさん。お花を飾るだけではなく、ちゃんと作家やアレンジのコンセプト、使用した花類も書かれていました。れっきとした「作品展示」なんですね。
フォーラム内は人で溢れかえっているので、公演やイベントの合間にこういう所をそぞろ歩きすると神経も休まります♪

5月晴れの続く都心は日中暑いですが、日が落ちると非常に涼しいです。そしてコンサート会場には冷房が良く効いて、寒いです・・・


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エマ・カークビーリサイタル 2/21 [音楽鑑賞]

ハクジュホールでソプラノのエマ・カークビーとリュートのヤコブ・リンドベルイによるデュオ・コンサートを聴いてきました。

当初は「デュオ~?エマさんの曲数が少なくなるのはいやだなあ」と思っていたのですが、終わってみればリンドベルイ万歳!でした。公演後、検索をかけて色々な方の感想を読んだのですが、やはり軒並み絶賛です。私も、音がそのまま言葉であるような豊潤で輝きのある音色と、最高に安定したテクニックに「リュートってこんなだったかしら?」と驚きながら、我知らず惹きこまれてうっとりしてしまいました。
どこかの国の伝説で、リュートの音色で魔法を起こしたり、国を海の底に沈めた吟遊詩人の話がありませんでしたっけ・・・。そういう人に見えました、リンドベルイさん。

エマさんの方ですが、残念なことに本調子ではないようでした。ツアーがハードスケジュールだったので疲れていたのかもしれません。低音を出す時に微妙にしゃがれ加減になったり時々苦しそうでした(涙)が、鈴を震わすような声は相変わらずで、輝かしい美声を堪能させてもらいました。

プログラムは個人的に今回初めて聴く曲が多く、その中ではシュッツの「おお、イエス、快い御名よ」とストロッツィの「聴いて、恋するものたちよ」が佳曲で、気に入りました。エマさんにも合っていたと思います。
「麗しのアマリッリ」も歌われたのですが、これも素敵でした。私は「イタリア古典歌曲集」に入っているエディションで、オーソドックス(真面目そーな)にしか歌ったことがないので、古楽風に装飾音のたくさん付いた洒落たバージョンも歌ってみたかったな~と思います。

鳴り止まない拍手に応えてアンコールも4曲!締めくくりはパーセルの「夕べの讃歌」を歌ってくれました。大好きな曲なので大感激でした。「アレルヤ・・・」ってリピートするところがまるで子守唄みたいで、心が安らぐんですよね。素敵だった一夜がこれで本当に幕を下ろすんだなって、穏やかにそう思えました。

この晩のエマさんの衣装は、花模様が描かれた明るいブルーグリーンのタフタドレスに、藤色の丈の短い半袖ジャケットを重ねたもの。ローラ・アシュレイのような「英国」って雰囲気のドレスで金髪のエマさんに似合ってましたよ♪

しかし・・・ハクジュホールは狭いです。製薬会社の建物の中にあるためあまり贅沢なスペースは取れなかったのかもしれませんが、300席のホールとしてはロビーがあまりにもミニマムで、開演前や休憩時間は人で埋まってました。なんか疲れちゃいました、やれやれ。


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レーゲンスブルク 2 大聖堂と合唱団 [旅行]

レーゲンスブルクを訪れた最大の目的は、大聖堂付属合唱団(愛称は「レーゲンスブルクドームシュパッツェン(大聖堂の雀達)」がミサで歌うのを聴くためです。
高校生の頃に東京池袋の東京芸術劇場でコンサートを聴いたことがあるのですが、とても素晴らしかったのです。世俗曲も何曲か演奏され、小さな金髪の男の子がモーツァルトの「フリードリヒ坊やの誕生日」を高くよく通る声でとても上手に歌って、本当に可愛らしかった(^^) 

このミサがある日曜の朝、ホテルで私と同じように一人旅中の日本人の男の子と知り合い、ご一緒することになりました。生まれて初めての海外旅行だという彼とはそれぞれの旅についてたくさんお喋りし、とても楽しい時間を過ごせました。しかも彼は、教会内や移動中に素敵なエスコートをしてくれて、「日本男子も一度ヨーロッパを経験すると立派なジェントルマンになるもんだ」と私をいたく感心させてくれたのでした。

合唱団の本拠地でもある聖ぺテルス大聖堂の尖塔。
聖堂の大きさに比べて周囲の広場や道などのスペースがコンパクトな為、私の腕とカメラでは全体を入れて撮影することは出来ませんでした。だから全ての写真でほとんど塔のみしか取ってません・・

雲間より出でて聳え立つ、といった趣きの威厳のある建築ですが、でもどこかに女性的な優美さも感じられました。内部はステンドグラスがとても美しく、しかし窓からの光と少ない照明以外にはほとんど灯りが無い為薄暗く静まりかえり、そこがまた趣があって良かったです。

写真はなぜだか割と明るく撮れてます。
堂内には笑みをたたえたきれいな美しい天使の石像があって、「スマイリングエンジェル」と名付けられ名物になっていました。説明書にはアルカイックスマイルと書いてあったのですが、日本の弥勒菩薩のような神秘さはありません。ヘンな例えで恐縮ですが、ペコちゃんに似てます。口角の上がり方とか。

10時の開始時刻になると合唱隊がしずしずと入場して整列し、ミサが始まりました。
進行に従い、神やキリストを称える歌や信仰告白の歌などを歌っている模様。コンサートではないので当然ですが拍手が起こる訳でもなく、粛々にして淡々と進行していきました。 
これほどのミサに参加するのは初めてだったので、緊張していたのと物珍しさとであまり集中できなくて、合唱団の様子はあまり印象に残っていません(^_^;) 
祭壇上がステンドグラスから差し込む太陽の光とろうそくの灯りで照らされて、とても綺麗だったなあ、とかその程度なんです。
しかし参列者も賛美歌を歌う段になると、これは嬉しくて張り切っちゃいました。コラボだコラボだ、とかバカなこと考えてました(笑)

その内、何が起こったのか周りの人がいっせいに立ち上がり、突然隣の女性が笑顔で手を差し伸べてきたので、私も反射的に右手を出しました。そして笑顔でにぎにぎ。
続いて彼女の向こうの人とも、前の人とも後ろの人とも。まわりも皆、大握手会。こ、これは何?楽しいけど混乱。
帰国してから調べたところ、「平和の挨拶」という式次第であったらしいことが分かり、ようやく腑に落ちました。初体験で驚きましたが、なんともいえず心が温まる体験だったように思います。

更に別の日になりますがレーゲンスブルク駅でのこと、これも偶然にも、息子さん二人がかつて合唱団の団員だったという女性とお話することが出来ました。駅でまごまごしていた私のことを(多分年端もいかない女の子だと思って(笑))助けて下さった方なんですけどね。聞けば、15年程前に日本公演にも付き添ったことがあるそうで、それは丁度私が合唱団を聴いた頃と重なります。
「私もその公演を聴いたかもしれません」「きっとそうよ」
と盛り上がりました。これも嬉しい出会いでした(*^_^*)


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レーゲンスブルク 1 街の様子 [旅行]

レーゲンスブルクはドイツの南、ウィーンからは特急で約3時間ほどの距離にある、落ち着きと品のある美しい街です。飛び石連休的に都合3日間滞在しました。
なぜかどの日も午後到着して午前中早めに絶つ、というスケジュールになってしまったので、名所旧跡巡りを堪能というわけには行かなくなってしまいました。その代わり、のんびりと街中を歩き回って趣きたっぷりの街並みを味わいました。

私が泊まったホテルは大聖堂ファサードのまん前に立地している、その名も「Hotel Am Dom」。
2階の朝食室の窓からは最高の眺めが得られます。(ただしこの時はファサードが工事中でしたので残念でしたが)小さいながら清潔で居心地の良いホテルでした。ホテルの人も気持ちの良い人達で、また機会があったなら泊まりに行きたいと思っています。

ホテルは緑色の方です。お隣のピンク色の建物ははレストランで、2日後のイタリア対ドイツの試合の日だったかな、店内のモニターで試合を楽しむ人達でものすごいことになってました。

レーゲンスブルクは第2次大戦の爆撃をまぬがれたので史跡がたくさんあるのですが、中でもライン川に架かるこの橋はローマ時代に建造されたヨーロッパ最古の石橋なのだそうです。



重厚な橋脚。
合間を水が流れていく様子がなんとなく気に入って、ずっと眺めていました。川の流れは結構速かったです。川下に当たる反対側には水鳥がたくさん羽を休めていました。
橋のたもとには「ヒストリッシェ・ヴルストキュッヒェ」というドイツで最古のソーセージ屋さんがあり、薪で焼いた小指サイズのソーセージが名物になっています。お味は、うーん、香りは良いんですけどね。ちょっと脂っぽかったかな。
この日は土曜日で、どこの広場にもビアガーデンが出現して大賑わいでした。屋台ではポテト料理とか豚肉のローストとか、美味しそうなものが一杯♪ちょっとつまんでみたかったですが、ソーセージ屋で飲んだビールが、ウィーンで悪化した風邪のせいか音速で酔いが回ってきたのであえなくおあずけ。

大聖堂の前では音楽祭も開かれていて、賑やか・・・というよりやかましく、その喧騒は真夜中まで続いてました(-_-;)

 


ホテルのすぐ近くにお寿司屋さんがありました。寿司の普及には目をみはるものがありますね。正直レーゲンスブルクで見るとは想像したこともありませんでした。
別の日に試しに買ってみたのですが、これがまた想像をはるかに上回る不思議な食べ物でした。
見た目はなかなか良いんですけどね~。寿司飯が酢飯じゃないし、魚が魚の匂いがしないのです。ワサビも辛くありませんでした。醤油は醤油でしたが。
不味いというよりは・・なんて言うか味が無いんですよね。追い求めても探り出そうとしても寿司の味がしない。かといって、他の味も大してしない。
日本人として複雑な心境でしたが、残したら罰が当たると思ったので全て頂きましたよ。
食べたのに口の中と胃袋が寂しかったです(^_^;)


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